サントリーニ・カルデラ

座標: 北緯36度23分44秒 東経25度27分33秒 / 北緯36.39556度 東経25.45917度 / 36.39556; 25.45917

サントリーニ・カルデラ
衛星写真
地図。焦茶色の部分は標高200 m以上

サントリーニ・カルデラ: καλδέρα Σαντορίνης: Santorini caldera)は、エーゲ海南部に存在するカルデラ。大部分は海中に没しているが、外輪山に当たる部分としてサントリーニ島、ティラシア島、アスプロニシ島が、中央部にネア・カメニ島及びパレア・カメニ島が海面上に存在する。

地理と地質

カルデラの規模は、南北12 km、東西7 km。周囲には、外輪山に相当する高さ200 mから300 mの崖がある。サントリーニ島は白い住居群が崖に沿って建てられており、その景観が観光資源の一つとなっている[1]

各島の面積
面積[2]
サントリーニ島 75.8 km2
ティラシア島 9.3 km2
アスプロニシ島 0.1 km2
ネア・カメニ島 3.4 km2
パレア・カメニ島 0.5 km2

サントリーニ・カルデラは、南エーゲ海火山弧(英語版)の中で最も活発的な部分である。アフリカプレートエーゲ海プレートの下に沈み込んでいることから、北東方向へ1年に5 cm移動しており、地震の震源は150 kmから170 kmの深さである[2]

サントリーニ島では火山岩以外の岩石も確認されており、島南東部から南部の地域に加え、カルデラ内部の一部で露出している[3]

火口に当たる中央部の2島は、溶岩によって形成されている。

火山

カルデラを構成するのは4層の楯状火山である。最古のものは18万BP、次いで7万BPのスカロス、21000BPのリヴァ岬、最新のものとなる約3600BPのミノア噴火によって形成された現在のカルデラに至る[4]

中央部の2島は、海中での噴火によって形成されたものである[5]

休止期間は長いものの、分類としては活火山に該当する。数多くの噴火は、大規模では無い噴出に留まり、暗色の溶岩が溶岩楯状地をカルデラ中央部の2島に作っている。現在のところ最後の噴火は1950年のもので、その後は主に火口内部に存在する噴気孔からの噴出に留まっている[6]

2011年から2012年にかけてGPSを利用した測定装置により、火山活動による変化が測定された[7]

紀元前17世紀にこの地で発生したミノア噴火が、アトランティス伝説の元と考えられている[8]。これは、火山爆発指数で7に相当する噴火であり、これが最大の噴火であると見積もられている[9]

噴火の年表

主な噴火の年表[10]
噴火 終了 備考
紀元前1610年 不明 ミノア噴火。前後14年のぶれがある。中央部の噴火、割れ目噴火、海中噴火、爆発的噴火、火砕流水蒸気爆発ラハール津波、カルデラの崩壊、避難、犠牲者、大規模な物理的な損壊が発生。
紀元前197年 不明 パレア・カメニ島の誕生[1]。中央部の噴火、割れ目噴火、海中噴火、爆発的噴火。[11]
46年12月31日 47年2月1日 終了日には前後30日のぶれがある。中央部の噴火、割れ目噴火、海中噴火、爆発的噴火、溶岩流溶岩円頂丘、津波、新島の誕生。
726年7月25日 不明 前後45日のぶれがある。中央部の噴火、割れ目噴火、海中噴火、爆発的噴火、溶岩流、溶岩円頂丘、被害の発生、新島の誕生。
1570年 1573年 中央部の噴火、割れ目噴火、海中噴火、爆発的噴火、溶岩流、溶岩円頂丘、新島の誕生。
1650年9月27日 1650年12月6日 山腹噴火、割れ目噴火、海中噴火、爆発的噴火、溶岩流、津波、新島の誕生。犠牲者、被害の発生。
1707年5月23日 1711年9月14日 ネア・カメニ島の誕生[1]。中央部の噴火、割れ目噴火、海中噴火、爆発的噴火、溶岩流、溶岩円頂丘、被害の発生。
1866年1月26日 1870年10月15日 中央部の噴火、割れ目噴火、海中噴火、爆発的噴火、溶岩流、溶岩円頂丘、新島の誕生。犠牲者、被害、避難の発生。
1925年8月11日 1928年3月17日 中央部の噴火、割れ目噴火、爆発的噴火、水蒸気爆発、溶岩流、溶岩円頂丘。
1939年8月20日 1941年7月2日 終了日に前後1日のぶれがある。中央部の噴火、割れ目噴火、海中噴火、爆発的噴火、水蒸気爆発、溶岩流、溶岩円頂丘。被害の発生。
1950年1月10日 1950年2月2日 中央部の噴火、割れ目噴火、海中噴火、爆発的噴火、水蒸気爆発、溶岩流、溶岩円頂丘。

脚注

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出典

  1. ^ a b c “サントリーニ島”. ギリシャ観光省-ギリシャ政府観光局. 2013年8月22日閲覧。
  2. ^ a b “Tectonic setting of Santorini”. 2011年4月20日閲覧。
  3. ^ “Geology of Santorini - The prevolcanic basement”. 2011年4月20日閲覧。
  4. ^ “Santorini, Background”. Smithsonian Global Volcanism Program. 2011年4月19日閲覧。
  5. ^ “Santorini Volcanic Caldera, Greece”. 2011年4月19日閲覧。
  6. ^ “Introduction - Santorini Volcano”. 2011年4月19日閲覧。
  7. ^ Stephanie Pappas (2012年3月13日). “Volcano on scenic Greek island getting a little restless”. MSNBC. 2013年8月23日閲覧。
  8. ^ Sparks, R. S. J. (2000). “Friedrich, W. L. 2000. Fire in the Sea. The Santorini Volcano: Natural History and the Legend of Atlantis”. Geological Magazine (Cambridge University Press). http://geolmag.geoscienceworld.org/content/137/5/593.short. 
  9. ^ “Large Volcano Explocivity Index”. Countries of the World. 2011年3月29日閲覧。
  10. ^ “Santorini, Eruptive History”. Smithsonian Global Volcanism Program. 2011年4月19日閲覧。
  11. ^ サントリーニカルデラの近くに滞在

外部リンク

  • Santorini - Smithsonian Global Volcanism Program
  • ヨーロッパ火山紀行 第1章 ギリシア - 静岡大学 小山真人研究室
VEI7以上、*はVEI8、kaは1,000年前、Maは100万年前を示す単位

ベネット(英語)(50Ma) | スカコム(英語版) ラガリータ(27.8Ma)* | メイリースベイル(英語版)(23Ma) | メイリースベイル(19Ma) | イエローストーン(16.548Ma) | イエローストーン(15.8Ma) | イエローストーン(15.7Ma) | イエローストーン(15.6Ma) | イエローストーン(15.6Ma) | イエローストーン(15Ma) | 南西ネバダ (13.25Ma) | 南西ネバダ (13Ma) | 南西ネバダ (12.8Ma) | 南西ネバダ (12.7Ma) | 南西ネバダ (11.6Ma)* | 南西ネバダ (11.45Ma) | イエローストーン(11Ma)* | パストス・グランデス(英語版)(8.3Ma) | 南西ネバタ (7Ma) | イエローストーン(6.62Ma)* | セロ・グアチャ(英語版)(5.7Ma)* | イエローストーン(4.45Ma)* | パカナ(英語版)(4Ma)* | セロ・グアチャ (3.5Ma) | パストス・グランデス (2.9Ma) | イエローストーン(2.2Ma)* | ガラン(英語版)(2.2Ma)* | 玉川(2Ma) | タティオ(英語版)(1.9Ma) | 十勝(1.9Ma) | アティトラン(1.8Ma) | バイアス(英語版)(1.78Ma) | 穂高(1.75Ma)* | ボルシェ・バナイヤ(1.7Ma) | マンガキノ(1.63Ma)* | バイアス(1.47Ma) | 小野(1.4Ma) | マンガキノ(1.4Ma) | イエローストーン(1.3Ma) | マンガキノ(1.24Ma)* | バイアス(1.15Ma) | ベイカー(1.149Ma) | カリムスキー(1.13Ma) | 十勝(1.1Ma) | マンガキノ(1.01Ma)* | 十勝三股(1Ma) | 玉川(1Ma) | 成岡(1Ma) | 猪牟田(1Ma) | コルベッティ(英語版)(1Ma)* | マンガキノ(970ka) | トバ(840ka) | カラボソス(英語版)(800ka) | ロングバレー(英語版)(759ka)* | アカトラン(英語版)(650ka) | イエローストーン(640ka)* | 霧島(600ka) | ラナウ(英語版)(550ka) | オカタイナ(英語版)(550ka) | 小林(525ka) | コルベッティ(500ka) | 姶良(500ka) | コパウエ(500ka) | ロスメロス(英語版)(460ka) | 姶良(456ka) | ディアマンテ(450ka) | 白頭山(446ka) | ブラッチャーノ(英語版)(374ka) | ラツィアーレ(英語版)(360ka) | マロア(335ka)* | 加久藤(325ka) | カラボソス(英語版)(300ka) | ブルシーニ(300ka) | マニンジャウ(英語版)(280ka) | ハロハロ(280ka) | オカタイナ(280ka) | 阿多(240ka) | シャラ(英語版)(240ka) | レポロア(英語版)(230ka) | マロア(230ka) | オカタイナ(225ka) | ロトルア(220ka) | 阿寒(175ka) | イエローストーン(173.1ka) | コス(161ka) | カラボソス(英語版)(150ka) | 阿蘇(Aso3)(130ka) | 屈斜路(117.5ka) | 洞爺(114ka) | 阿多(105ka) | ブルシーニ(100ka) | 鬼界(95ka) | 阿蘇(Aso4)(87ka)* | アティトラン(84ka) | トバ(73ka)* | マニンジャウ(英語版)(52ka) | オカタイナ(50ka) | ネモ(45ka) | オパラ(英語版)(45ka) | 支笏(44ka) | ウゾン(英語版)(42ka) | クリル湖 (41ka) | ポアス(40ka) | 屈斜路(39ka) | ゴレーリ(英語版)(39ka) | フレグレイ(37ka) | 姶良(30ka) | タウポ(26.5ka)* | セミソポシュノイ(英語版)(9.95ka) | クリル湖(8.455ka) | クレーターレイク(7.692ka) | 鬼界(7.3ka) | セロ・ブランコ(英語版)(4.3ka) | サントリーニ(BC1628) | タウポ(181) | 白頭山(946) | リンジャニ1257) | タンボラ1815 詳細

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