ジンバイソウ

ジンバイソウ
茨城県北部 2017年8月下旬
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
: ツレサギソウ属[1] Platanthera
: ジンバイソウ P. florentii
学名
Platanthera florentii Franch. et Sav.[2]
和名
ジンバイソウ
ウィキメディア・コモンズには、ジンバイソウに関連するメディアがあります。
ウィキスピーシーズにジンバイソウに関する情報があります。

ジンバイソウ学名Platanthera florentii)は、ラン科ツレサギソウ属の地生の多年草[1][3][4][5][6]。別名、ミズモラン[3]

特徴

はひも状になり長く伸長する。は単生して直立し、高さは20-40cmになり、やや細く、緑色で縦の稜がある。は2個が根際で接近してやや対生状に互生し、長楕円形で、長さ5-12cm、幅3-6cmになる。先端はとがり、縁は波状に縮れ、基部に短い葉柄があり、表面に光沢がある。茎に小型の鱗片葉が数個まばらに互生し、広披針形でその先端は下を向く。同形同大の2個の葉が対生状につくようすは、同科旧フタバラン属の類に似る[3][4][5][6]

花期は8-9月。総状花序に淡緑色のを5-10個まばらにつける。は広披針形になる。背萼片は広卵形で長さ5-6mm、側萼片は披針形で背萼片より長く、湾曲する。側花弁は三角状斜卵形で背萼片とほぼ同じ長さになる。唇弁は広線形で長さ7-10mmになり、先は鈍頭、は長さ15-20mmになり、下方に垂れるか前方に湾曲し、子房より長い[3][4][5][6]

分布と生育環境

日本固有種[7]。北海道、本州、四国、九州に分布し、冷温帯から暖温帯の暗い林床に生育する[6][7][8]

名前の由来

ジンバイソウの語源は、牧野富太郎は「語源不明」としている。種小名 florentii は、「採集家フロレントの」の意味[3]

別名のミズモランは、「水面蘭」の意で、光沢のある葉を水面の光り具合に見立てたもの[3]

ギャラリー

  • 花がまだ展開していない状態(8月中旬)。
    花がまだ展開していない状態(8月中旬)。
  • 花が展開しても、花だけでは他のツレサギソウ属の種との区別が分かりにくい(8月下旬)。
    花が展開しても、花だけでは他のツレサギソウ属の種との区別が分かりにくい(8月下旬)。
  • ツレサギソウ属の中でも対生状につく葉に特徴があり「ジンバイソウ」とわかる。
    ツレサギソウ属の中でも対生状につく葉に特徴があり「ジンバイソウ」とわかる。

脚注

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  1. ^ a b 大場『植物分類表』pp.46-48
  2. ^ ジンバイソウ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d e f 『新牧野日本植物圖鑑』p.1068, p.1327
  4. ^ a b c 『日本ラン科植物図譜』p.42, p.308
  5. ^ a b c 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.120
  6. ^ a b c d 『改訂新版 日本の野生植物1』p.223
  7. ^ a b 『日本の固有植物』p.191
  8. ^ Platanthera florentia, eMonocot

参考文献

  • 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
  • 大場秀章編著『植物分類表(初版第3刷訂正入)』、2011年、アボック社
  • 中島睦子著『日本ラン科植物図譜』、2012年、文一総合出版
  • 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 1』、2015年、平凡社
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  • eMonocot

外部リンク

  • ジンバイソウ


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