ツヴェンテンドルフ原子力発電所

外観
2009年、セーブ・ザ・ワールド賞中にライトアップされたツヴェンテンドルフ原発

ツヴェンテンドルフ原子力発電所(ドイツ語: Kernkraftwerk Zwentendorf)は、オーストリアで最初に建設された原子力発電所
ニーダーエスターライヒ州ツヴェンテンドルフ(英語版)で建設が始まり、原発は完成したものの、運用されることはなかった。

概略

1972年の4月に建設が開始され、692MWの発電量の沸騰水型原子炉を建設することとなった。これは幾つかのオーストリア電力公益企業の共同企業体によって、当初計画されていた6ヶ所の原発の最初の一つとして建設が始まった。当初コストはおおよそ140億オーストリア・シリングで、現在価格ではおおよそ10億ユーロとされる[1]。喚起煙突は110mの高さを誇った。

しかし、ツヴェンテンドルフの運用開始や他の5個の原発の建設は1978年11月5日に投票(英語版)によって中止された。この投票では50.47%がツヴェンテンドルフの立ち上げ反対に投票した[2][3]。また、1987年にオーストリアは発電のための核分裂炉を禁止する法を制定し、以降これを保持している。

現在発電所は一部解体されている。発電所はオーストリアのEVNグループ(英語版)が保有しており、太陽光発電所や教育施設として使われている。ツヴェンテンドルフ原発の代替としてデュルンロア火力発電所(英語版)が建設された。

1978年の投票の後、電力生産目的で立てられた、運用された原子炉は存在しない。しかしながら1960年代以降、科学目的の3基の小型原子炉が建設され利用されており、現在も1機は稼動している[4]

画像

  • 原子炉圧力容器底部のコントロールメカニズム
    原子炉圧力容器底部のコントロールメカニズム
  • 上部からみた圧力容器
    上部からみた圧力容器
  • 低圧タービン
    低圧タービン
  • 運転室の制御パネル
    運転室の制御パネル

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Zwentendorf atomic power plant AKW Zwentendorf
  2. ^ Austria's no to nuclear power Peter Weish
  3. ^ Austria‘s Anti-Nuclear Crusade Euro Nuclear
  4. ^ General Atomics TRIGA Mark-II Scientific reactor operated by the Technical University Vienna

関連項目

座標: 北緯48度21分16秒 東経15度53分05秒 / 北緯48.3544度 東経15.8847度 / 48.3544; 15.8847

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