ナッシュヴィル・スカイライン

ナッシュヴィル・スカイライン
ボブ・ディランスタジオ・アルバム
リリース
録音 1969年2月12日21日
アメリカニューヨーク市
コロムビア・レコーディング・スタジオ
ジャンル カントリーカントリー・ロック
時間
レーベル コロムビア
プロデュース ボブ・ジョンストン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • アメリカ合衆国の旗 3位(ビルボード・トップ LP's
  • イギリスの旗 1位(全英アルバム・チャート
  • ゴールドディスク
  • アメリカ合衆国の旗 プラチナ(RIAA
  • カナダの旗 ゴールド(CRIA)
  • ボブ・ディラン アルバム 年表
    ジョン・ウェズリー・ハーディング
    1967年
    ナッシュヴィル・スカイライン
    (1969年)
    セルフ・ポートレイト
    1970年
    テンプレートを表示

    ナッシュヴィル・スカイライン』(: Nashville Skyline)は、1969年にリリースされたボブ・ディラン9作目のスタジオ・アルバム

    ビルボード・トップ LP'sチャートで最高3位、全英アルバム・チャートで1位を記録した。RIAAによりプラチナ・ディスクに認定されている。

    解説

    純粋のカントリー・アルバムとして

    前作の『ジョン・ウェズリー・ハーディング』(1967年)で見られたカントリー音楽への傾倒が本作ではより顕著となり、事実上のカントリー音楽のアルバムとなっている。敬愛する大御所カントリー・ミュージシャン、ジョニー・キャッシュをゲストに迎え、1969年2月13~15日、ニューヨークで録音され、この年の4月には全米アルバム売上げ3位の好成績をあげた。収録曲のうち「レイ・レディ・レイ」は本来映画『真夜中のカーボーイ』の主題歌として作曲されたもので、締め切りに間に合わず、ハリー・ニルソンの「うわさの男」に差し替えられてしまったという経歴を持つ。この曲は全米7位となり、ディランにとって久々のシングル・ヒットとなった。長らく日本盤のレコードやCDでは妙な訳詞だったが今は改められている。その後もコンサートツアーの重要なレパートリーとなり、『偉大なる復活』(1974年)、『激しい雨』(1976年)のライブ・アルバムに収録されている。

    アルバム未収録の"Wanted Man"はジョニー・キャッシュ、ジョニー・ソログッドらにカバーされている。

    作風の変化

    抜けるような青空をバックにディランがやさしく微笑みかけるジャケット写真も話題を呼んだが、何よりも驚くべきはディランの声がしわがれ声から澄んだ声に豹変してしまったことである。「煙草をやめたらこうなった。」とは本人の弁だが、真偽のほどはともかく作風の大きな変化として注目されている。

    高校時代のガールフレンドによるとこれが本来のディラン自身の声であるとのこと。その後、ブルースに傾倒するに従い意図的にスタイルを変えたらしい。ディランは次回作『セルフ・ポートレイト』(1970年)では二種類の声を使い分け、『バングラデシュ・コンサート』(1971年)では更に変えている。その後も微妙にスタイルを変え続け、グレイトフル・デッドとのツアー時に「自在に声を操れるようになった」と自伝に記している。

    この作品の成功により、バーズをはじめとする多くのロック・ミュージシャンがカントリー音楽に注目し、カントリー・ロックなる言葉を生み出した。

    なお、ディランはキャッシュとともにアルバム制作を行ったり、この年のテレビ番組『ジョニー・キャッシュ・ショー』に出演するなど話題を呼んだ。

    収録曲

    全曲、作詞・作曲: ボブ・ディラン

    Side 1

    1. 北国の少女 - Girl from the North Country – 3:41
      ジョニー・キャッシュとの共演
    2. ナッシュヴィル・スカイライン・ラグ - Nashville Skyline Rag – 3:12
    3. トゥ・ビー・アローン・ウィズ・ユー - To Be Alone with You – 2:05
    4. アイ・スリュー・イット・オール・アウェイ - I Threw It All Away – 2:23
    5. ペキー・デイ - Peggy Day – 1:59

    Side 2

    1. レイ・レディ・レイ - Lay Lady Lay – 3:20
    2. ワン・モア・ナイト - One More Night – 2:25
    3. 嘘だと言っておくれ - Tell Me That It Isn't True – 2:45
    4. カントリー・パイ - Country Pie – 1:35
    5. 今宵はきみと - Tonight I'll Be Staying Here With You – 3:23

    パーソネル

    反響・評価

    アルバムは、1969年5月24日付『ビルボード』誌「トップ LP's」チャートで最高3位、全英アルバム・チャートで1位を記録した[1][2]アメリカ・レコード協会 RIAA により1969年5月7日にゴールド・ディスク、1986年11月21日プラチナ・ディスクに認定されている[3]

    チャート

    アルバム
    チャート 最高順位
    1968年 ビルボード・トップ LP's 160 3
    1968年 全英アルバム・チャート Top 75 1

    リリース

    アメリカ
    日付 レーベル フォーマット カタログ番号 付記
    1969年4月9日[4] Columbia LP CL モノラル
    CS ステレオ
    Columbia CD CK
    日本

    2004年、再発CDがオリコン・チャートで最高250位を記録した[5]

    日付 レーベル フォーマット カタログ番号 付記
    1969年 CBSソニー LP SONP-50095
    1974年 CBSソニー LP SOPL-227
    1976年 CBSソニー LP 25AP 278
    1986年9月21日 CBSソニー CD 32DP 373 ロック名盤コレクション
    1987年8月26日[6] CBSソニー CD 28DP 1024 CBS CD ROCK 100
    1991年12月1日[7] ソニー CD SRCS 6159 NICE PRICE LINE
    2003年11月19日[8] ソニー SACD HYBRID MHCP-10008
    2004年8月18日[9] ソニー CD MHCP-375 紙ジャケ、完全生産限定盤
    2005年8月24日[10] ソニー CD MHCP-809 2003年デジタル・リマスター
    2009年8月26日[11] ソニー Blu-spec CD SICP-20220

    脚注

    出典

    1. ^ “Top LP's”. Billboard (Billboard Publications, Inc.) (May 24, 1969): p. 60. https://books.google.co.jp/books?id=KygEAAAAMBAJ&lpg=RA1-PA63&dq=billboard%201969&pg=RA1-PA60#v=onepage&q&f=false 2011年3月17日閲覧。. 
    2. ^ “Bob Dylan - The Official Charts Company” (英語). theofficialcharts.com. 2011年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月17日閲覧。
    3. ^ “RIAA Gold and Platinum Search for albums by Bob Dylan” (英語). RIAA. 2011年3月17日閲覧。
    4. ^ Nashville Skyline” (英語). bobdylan.com. 2011年3月17日閲覧。 “04/09/1969”
    5. ^ “ナッシュヴィル・スカイライン(MHCP-375)”. オリコン. 2009年8月17日閲覧。
    6. ^ “ナッシュヴィル・スカイライン(28DP-1024)”. CDJounal.com. 2009年8月26日閲覧。
    7. ^ “ナッシュヴィル・スカイライン(SRCS-6159)”. ソニー・ミュージック. 2009年8月10日閲覧。
    8. ^ “ナッシュヴィル・スカイライン(MHCP-10008)”. ソニー・ミュージック. 2009年8月17日閲覧。
    9. ^ “ナッシュヴィル・スカイライン(MHCP-375)”. ソニー・ミュージック. 2009年8月10日閲覧。
    10. ^ “ナッシュヴィル・スカイライン(MHCP-809)”. ソニー・ミュージック. 2009年8月10日閲覧。
    11. ^ “ナッシュヴィル・スカイライン(SICP-20220)”. ソニー・ミュージック. 2009年8月17日閲覧。

    外部リンク

    • Nashville Skyline www.bobdylan.com
    • Nashville Skyline - Discogs (発売一覧)
    スタジオ・アルバム

    『ボブ・ディラン』 · 『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』 · 『時代は変る』 · 『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』 · 『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』 · 『追憶のハイウェイ61』 · 『ブロンド・オン・ブロンド』 · 『ジョン・ウェズリー・ハーディング』 · 『ナッシュヴィル・スカイライン』 · 『セルフ・ポートレイト』 · 『新しい夜明け』 · 『ビリー・ザ・キッド』 · 『ディラン』 · 『プラネット・ウェイヴズ』 · 『血の轍』 · 『地下室(ザ・ベースメント・テープス)』 · 『欲望』 · 『ストリート・リーガル』 · 『スロー・トレイン・カミング』 · 『セイヴド』 · 『ショット・オブ・ラブ』 · 『インフィデル』 · 『エンパイア・バーレスク』 · 『ノックト・アウト・ローデッド』 · 『ダウン・イン・ザ・グルーヴ』 · 『オー・マーシー』 · 『アンダー・ザ・レッド・スカイ』 · 『グッド・アズ・アイ・ビーン・トゥ・ユー』 · 『奇妙な世界に』 · 『タイム・アウト・オブ・マインド』 · 『ラヴ・アンド・セフト』 · 『モダン・タイムズ』 · 『トゥゲザー・スルー・ライフ』 · 『クリスマス・イン・ザ・ハート』 · 『テンペスト』 · 『トリプリケート』

    ライブ・アルバム
    コンピレーション・アルバム

    『ボブ・ディランのグレーテスト・ヒット』 · 『グレーテスト・ヒット第2集』 · 『傑作』 · 『バイオグラフ』 · 『グレーテスト・ヒット第3集』 · 『ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン』 · 『ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン Vol.2』 · 『エッセンシャル・ボブ・ディラン』 · 『ディラン・ザ・ベスト』 · 『DYLAN』 · 『ボブ・ディラン・モノ・ボックス』

    ブートレッグ・シリーズ

    『ブートレッグ・シリーズ第1~3集』 · 『「ロイヤル・アルバート・ホール」(第4集)』 · 『ローリング・サンダー・レヴュー(第5集)』 · 『アット・フィルハーモニック・ホール(第6集)』 · 『ノー・ディレクション・ホーム:ザ・サウンドトラック(第7集)』 · 『テル・テイル・サインズ(第8集)』 · 『ザ・ウィットマーク・デモ(第9集)』

    コンサート&ツアー
    映画
    関連項目

    作品一覧 · アルバム(五十音順) · 楽曲(五十音順) · 参加作品 · トラヴェリング・ウィルベリーズ · 受賞各賞

    カテゴリ カテゴリ
    • 表示
    • 編集
    典拠管理データベース ウィキデータを編集
    • MusicBrainzリリース・グループ