ルドルフ 〜ザ・ラスト・キス〜

ルドルフ 〜ザ・ラスト・キス〜』(原題:Rudolf )は、フレデリック・モートン "A Nervous Splendor" を、原作としたミュージカル。1889年、オーストリア皇太子ルドルフがマイヤーリンクで心中した事件を題材にした作品。作曲はフランク・ワイルドホーン、脚本をジャック・マーフィが担当した。作詞はジャック・マーフィーとナン・ナイトン。オーストリアウィーンで制作されたが、世界初演は2006年にハンガリーで行われた。

作品概要

初演は2006年5月26日、ハンガリー語翻訳版がブダペストで上演された。ウィーンでは2009年2月26日、ライムント劇場で上演された。日本では宮本亜門の演出により、2008年に上演された。韓国ではEMKミュージカルカンパニー制作による『皇太子ルドルフ』が2012年と2014年に上演[1]、2017年に『ザ・ラストキス』が2018年まで上演予定[2]

登場人物

  • ルドルフ:オーストリア皇太子
  • マリー・ヴェッツェラ:男爵令嬢
  • シュテファニー:ルドルフの妻、ベルギー王女
  • ラリッシュ:伯爵夫人、マリーの友人、ルドルフの母方の従姉妹
  • フランツ・ヨーゼフ:オーストリア皇帝
  • ヨハン・ファイファー:手品師、狂言回し的な役割
  • ツェップス:「ウィーン日報」の編集者
  • ウィルヘルム:ドイツ皇帝
  • エドワード:英国皇太子、ルドルフの友人
  • ブラットフィッシュ:ルドルフの御者
  • ターフェ:オーストリア首相

あらすじ

ハプスブルク家の皇太子ルドルフは、厳格な父親との人間的・政治的対立で苦悩していた。妻シュティファニーとは冷え切った関係で、安らぎのない日々を送っていた。宮廷で開かれた舞踏会で、ルドルフは男爵令嬢マリーと出会って恋に落ち、密会を重ねる。自由と平等を夢見るルドルフに、ハンガリーの独立を願う勢力が接触してくる。自分の政治的理想とオーストリア皇太子としての立場との間で苦悩するルドルフ。そんな中、ルドルフとマリーの道ならぬ関係は、謀略家である首相にも知られることとなる。

ミュージカルナンバー

Act I
  • ウィーンのテーマ
  • 幕が上がれば
  • 名もなき男
  • なぜ聞かない
  • ウィーンゲーム
  • 美しき戦争
  • マリーのテーマ
  • この国を愛して
  • 踊れワルツを
  • エドワード皇太子のワルツ
  • マリーのワルツ
  • 踊れワルツを(リプライズ)
  • お休みウィーン
  • それ以上の…
  • 道はひとつ
  • 選ぶべき時
  • Tra-la-la スケーティング・ソング
  • まるで恋人
  • より良い世界
  • 飛べない鳥
  • 愛してる それだけ

Act II
  • 命令次第
  • それは私
  • 名もなき男(リプライズ)
  • ウィーンのテーマ(リプライズ)
  • パラダイスまで
  • 私という人間
  • 明日への階段
  • 愚かな英雄
  • 不吉な影
  • 道はひとつ(リプライズ)
  • 守るべきはこの国
  • さよならが言えない
  • ただ君のために
  • 踊れワルツを(リプライズ)
  • 愛してる、それだけ(リプライズ)
  • それがウィーン(リプライズ)

日本公演記録

2008年版

2012年版

2012年7月に、帝国劇場にて上演。イギリス人劇場監督デヴィッド・ルヴォーが演出したウィーン版が踏襲され、舞台装置はウィーンより空輸され、内容も2008年版とは大きく異なっている。

主なキャスト

  2008年 2012年
ルドルフ 井上芳雄
マリー 笹本玲奈 和音美桜
シュテファニー 知念里奈 吉沢梨絵
ラリッシュ 香寿たつき 一路真輝
フランツ・ヨーゼフ 壌晴彦  村井国夫
ファイファー 浦井健治 -
ツェップス 畠中洋 -
ウィルヘルム 岸祐二 -
エドワード 新納慎也 -
ブラット・フィッシュ 三谷六九 -
ターフェ 岡幸二郎 坂元健児

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ “ミュージカル「皇太子ルドルフ」”. Ravie. 2017年10月26日閲覧。
  2. ^ 3년만에 돌아온 황태자 루돌프의 마지막 사랑...뮤지컬 ‘라스트 키스’” (韓国語). ソウル経済 (2017年4月26日). 2017年10月26日閲覧。

日本語訳

  • フレデリック・モートン『ルドルフ ザ・ラスト・キス』 富永和子訳、集英社文庫、2008年

関連項目

外部リンク

  • 帝国劇場ミュージカル「ルドルフ・ザ・ラストキス」
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