別府市歌

別府市歌

市歌の対象
別府市

作詞 森勝比古
作曲 弘田龍太郎
採用時期 1935年10月[1]
言語 日本語
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別府市歌」(べっぷしか)は、日本大分県別府市が制定した市歌である。作詞・森勝比古、作曲・弘田龍太郎

解説

前史として、市制施行以前の速見郡別府町が制定した「別府町歌」(べっぷちょうか)についても併せて解説する。

別府町歌

1924年(大正13年)に市制を施行する以前の別府町では、1908年(明治41年)に町役場から法学士読売新聞主筆の金崎賢(1878年 - 1962年)への依頼により歌詞が書き起こされ、陸軍軍楽隊の一等軍楽長であった小畠賢八郎の作曲により完成した「別府町歌」が同年3月の町会議決により制定されていた[2]

この町歌は市制施行の当初「別府市歌」に改題して引き継がれていた[3]。旧「別府町歌」の歌詞は著作権の保護期間を満了し、パブリックドメインとなっている。

別府町歌

町歌の対象
別府町

作詞 金崎賢
作曲 小畠賢八郎
採用時期 1908年3月[2]
採用終了 1935年10月(市制施行後に新市歌を制定)
言語 日本語
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本作の歌詞は著作物の本国においてパブリックドメインであり、アメリカ合衆国においてもウルグアイ・ラウンド協定法の対象外です。
別府町歌 作詞・金崎賢 作曲・小畠賢八郎

一、

めし 神代かみよより 萬代尽よろづよつきぬ 温泉をんせん
遠近をちこちとゞろきて 四方よも人々ひとびと つどふなり
別府べっぷ 楽天地らくてんち

二、

花香はなかぐはしき 四極山しはつやま むや菡萏かんたん わんつき
四時しじながめそなはりて 冬暖ふゆあたゝか夏涼すゞし
別府べっぷ 楽天地らくてんち

三、

てんたまもの いだきつゝ 人勤勉ひときんべんふうあれば
殖産しょくさんみち おこ富増進とみぞうしん機運きうんあり
別府べっぷ 楽天地らくてんち

四、

きがうえにも かれよと はげむはひとつとめなり
ちからあは我町わがまち栄図さかえはからん 諸共もろとも
別府べっぷ 楽天地らくてんち

市歌制定

市制施行から11年後の1935年(昭和10年)に速見郡亀川町、朝日村、石垣村の1町2村を編入して市域を拡大したことを記念し[4]、改めて市歌の制定が企画された。懸賞募集で入選した歌詞は旧町歌と同じ全4番から成り、2番では「湧き出る温泉(いでゆ) 神代より…」と旧町歌の歌い出しに類似した表現が見られる。

現状

この市歌は戦後も演奏禁止や歌詞の修正を経ることなく存続し、大分県内の現行市町村歌としては最古の楽曲となっている。毎年発行される市勢要覧には必ず歌詞が掲載されており、市民合唱祭の開会に際して斉唱が行われるのをはじめ[5]防災無線では正午の時報として演奏されており市民にとっては馴染み深い楽曲であるが、市の公式サイトでは紹介されていない。

参考文献

  • 『別府町史』(別府町役場、1914年) NCID BN09448600
  • 稗田武士『最新別府案内』(別府温泉出版部、1924年) 全国書誌番号:43047841
  • 『別府市誌』(別府市教育会、1933年) NCID BN09483157
  • 『別府市誌』(別府市役所、1985年) NCID BN03181734
  • 中山裕一郎 監修『全国 都道府県の歌・市の歌』(東京堂出版、2012年) ISBN 978-4-490-20803-0

出典

  1. ^ “別府歴史年表”. 別府歴史資料デジタルアーカイブ. 2024年6月30日閲覧。
  2. ^ a b 町史(1914), p24
  3. ^ 稗田(1924), 巻頭口絵
  4. ^ 中山(2012), p408
  5. ^ “第46回「別府市民合唱祭」”. 今日新聞. (2023年10月10日). https://kon-nichi.com/2023/10/10/siminngassyousai/ 2024年6月30日閲覧。 

関連項目

別府町歌に関するカテゴリ:
  • 廃止された市町村歌
  • 別府市の歴史
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