恒久型多目的モジュール

ディスカバリーのペイロードベイに格納されるレオナルド
宇宙ステーション整備施設に置かれるレオナルド

恒久型多目的モジュール(Permanent Multipurpose Module、PMM)は、アメリカの与圧モジュールとしては最後に国際宇宙ステーション(ISS)に設置されるモジュールで、2011年2月24日のSTS-133でISSに運ばれた。PMMは、ISS内の様々な場所に保管されていた予備の装置や補給品、廃棄物の保管のための倉庫として用いられる。このPMMは、ISSへの物資運搬に使われていた多目的補給モジュール(MPLM)のレオナルドを恒久設置が可能なようにデブリ耐性を強化するなどして改良したものである。

かつての提案

当初のヨーロッパの提案では、MPLMドナテロに隕石と宇宙塵から防御するデブリシールド及び冷却システムを実装し、スペースシャトル退役後にISSに係留しておくというものであった。MPLMの改良に要する費用は、ユニット当たり2000万ドルから4000万ドルと見積もられた。その後、このMPLMはPressurized Multipurpose Module (PMM)と呼ばれるようになり、予備の部品や補給品を保管し、補給の間隔を長くすることができるとされた。この提案は、既存の計画を変更することになり、また費用がかかるためにNASAに拒絶された[1]。しかし内部での議論は続けられ[2]、スペースシャトル最後の飛行となるSTS-133でMPLMを恒久的にISSに係留する可能性が検討された[3]ユナイテッド・ローンチ・アライアンスも、スペースシャトルの退役後に発展型使い捨てロケットでISSの追加のモジュールを打ち上げる提案を公表した[4]

2009年8月5日、STS-133で1基のMPLMを運び、ISSに残していくことが発表された。2009年10月、PMMに使われるMPLMをレオナルドとしたことが発表された。STS-133は、最後から2番目(その後STS-135が追加されたため3番目となった)のスペースシャトルの打上げで、2011年2月14日に打ち上げられた。PMMは、シャトル・リモート・マニピュレータ・システムカナダアーム2を使ってユニティの地球側の結合場所へ設置された。

改良

STS-131のミッションを終え、2010年4月20日に地球に帰還すると、レオナルドはケネディ宇宙センターの宇宙ステーション整備施設に運ばれ、改良を施された。レオナルドをPMMにするために、+Y grapple fixture (FRGF)の除去、ROFU componentの除去、CBMシールの交換、MMOD shieldの取付け、feed through sealの交換、 visiting vehicle retro-reflectorの取付け等が行われた。

出典

  1. ^ Coppinger, Rob (2008年4月2日). “NASA rejects European ISS logistics project”. Flightglobal.com. http://www.flightglobal.com/articles/2008/04/02/222622/nasa-rejects-european-iss-logistics-project.html 2009年1月24日閲覧。 
  2. ^ Coppinger, Rob (2008年6月24日). “NASA: MPLM may stay on orbit, docking rules to change and launch-on-need re-designated?”. Flightglobal.com. http://www.flightglobal.com/blogs/hyperbola/2008/06/nasa-mplm-may-stay-on-orbit-do.html 2009年2月27日閲覧。 
  3. ^ Bergin, Chris (2009年5月5日). “ISS considering the permanent attachment MPLM, advancement of STS-134”. NASAspaceflight.com. http://www.nasaspaceflight.com/2009/05/iss-considering-permanent-attachment-mplm-advancement-sts-134 
  4. ^ Foster, Mark. “System-of-Space Systems Architecture Utilizing Existing Space Assets to Complete and Re-Supply the International Space Station”. http://www.ulalaunch.com/site/docs/publications/AIAASpace2008PaperMarkAFoster.pdf 

外部リンク

  • Thales Alenia Space's PMM page
  • NASA's space shuttle page
概要
構成要素
  • ザーリャ(基本機能モジュール)(FGB)
  • ズヴェズダ(サービスモジュール)
  • ユニティ(ノード1)
  • ハーモニー(ノード2)
  • トランクウィリティー(ノード3)
  • デスティニー(実験用)(USLab)
  • コロンバス(実験用)
  • きぼう (PM, ELM-PS, EF)
  • クエスト(エアロック)
  • ラスヴェット (MRM 1)
  • ポイスク (MRM 2)
  • レオナルド (PMM)
  • キューポラ
  • 統合トラス構造 (ITS)
  • ナウカ(多目的実験モジュール)(MLM)
  • 欧州ロボットアーム (ERA)
  • プリチャル
支援機材
  • カナダアーム2 (MSS/SSRMS)
  • デクスター (SPDM)
  • ストレラ・クレーン
  • きぼう(ロボットアーム)
  • 船外保管プラットフォーム (ESP)
  • エクスプレス補給キャリア (ELC)
  • 与圧結合アダプタ (PMA)
  • 電気系統(英語版)
  • 生命維持システム
複数回使用
  • 多目的補給モジュール (MPLMs)
  • きぼう (ELM-ES)
  • ピアース(エアロック / ドッキングモジュール)(DC-1)
キャンセル
  • 推進モジュール
  • セントリフュージ実験モジュール (CAM)
  • 居住モジュール
  • 乗員帰還機 (CRV/ACRV)
  • 汎用ドッキングモジュール (UDM)
  • ロシア研究モジュール (RM)
  • 暫定制御モジュール (ICM)
  • ロシアのノードモジュール (NM)
  • 科学電力モジュール (SPM)
  • ノード4
補給機
現行
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