1984年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月2日に開幕した。アメリカンリーグの第16回リーグチャンピオンシップシリーズ(16th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から5日にかけて計3試合が開催された。その結果、デトロイト・タイガース(東地区)がカンザスシティ・ロイヤルズ(西地区)を3勝0敗で下し、16年ぶり9回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。
この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、タイガースが7勝5敗と勝ち越していた[1]。タイガースが先勝した翌日の第2戦では、ロイヤルズのブレット・セイバーヘイゲンがポストシーズン史上最年少の20歳175日で先発登板した[注 1][2]。タイガースはこの試合も延長戦の末に制すると、移動日を挟んで第3戦にも勝利し、負けなしのいわゆる "スウィープ" でリーグ優勝を決めた。シリーズMVPには、第2戦の初回表に先制の適時二塁打を放つなど、3試合で打率.417・1本塁打・2打点・OPS 1.250という成績を残したタイガースのカーク・ギブソンが選出された。このあとタイガースは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者サンディエゴ・パドレスを4勝1敗で下し、16年ぶり4回目の優勝を成し遂げた。
今シリーズでは、MLB審判員の労働組合がポストシーズン出場給の分配条件変更を求めてストライキを決行したため、引退した元審判員やアマチュア審判員らが代わりに出場した。ビル・ディーガンは、複数試合連続で球審を務めたMLB史上初の人物となった[3]。労使交渉の妥結は7日と[4]、今シリーズの決着には間に合わなかった。
試合結果
1984年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月2日に開幕し、途中に移動日を挟んで4日間で3試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
10月02日(火) | 第1戦 | デトロイト・タイガース | 8-1 | カンザスシティ・ロイヤルズ | ロイヤルズ・スタジアム | |
10月03日(水) | 第2戦 | デトロイト・タイガース | 5-3 | カンザスシティ・ロイヤルズ |
10月04日(木) | | 移動日 | |
10月05日(金) | 第3戦 | カンザスシティ・ロイヤルズ | 0-1 | デトロイト・タイガース | タイガー・スタジアム |
優勝:デトロイト・タイガース(3勝0敗 / 16年ぶり9度目) |
第1戦 10月2日
映像外部リンク |
---|
MLB.comによる動画(英語) |
タイガースのアラン・トランメルが5回表のソロ本塁打を含む3安打で3打点を挙げる(1分6秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
デトロイト・タイガース | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 2 | 1 | 8 | 14 | 0 |
カンザスシティ・ロイヤルズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 5 | 1 |
- 勝利:ジャック・モリス(1勝)
- 敗戦:バド・ブラック(1敗)
- 本塁打
DET:ラリー・ハーンドン1号ソロ、アラン・トランメル1号ソロ、ランス・パリッシュ1号ソロ
- 審判
[球審]ビル・ディーガン
[塁審]一塁: ジョン・バイブル、二塁: ランディ・クリスタル、三塁: ラリー・ザーベル
[外審]左翼: ハロルド・ジョーダン、右翼: マイク・オデル - 試合開始時刻: 中部夏時間(UTC-5)午後7時30分 試合時間: 2時間42分 観客: 4万1973人
詳細: Baseball-Reference.com
第2戦 10月3日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | R | H | E |
デトロイト・タイガース | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 8 | 1 |
カンザスシティ・ロイヤルズ | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 10 | 3 |
- 勝利:アウレリオ・ロペス(1勝)
- 敗戦:ダン・クイゼンベリー(1敗)
- 本塁打
DET:カーク・ギブソン1号ソロ
- 審判
[球審]ビル・ディーガン
[塁審]一塁: ジョン・バイブル、二塁: ランディ・クリスタル、三塁: ボブ・ジョーンズ
[外審]左翼: リチャード・デニー、右翼: カール・ノスナーゲル - 試合開始時刻: 中部夏時間(UTC-5)午後7時25分 試合時間: 3時間37分 観客: 4万2019人
詳細: Baseball-Reference.com
第3戦 10月5日
映像外部リンク |
---|
MLB.comによる動画(英語) |
タイガース先発投手ミルト・ウィルコックスは8イニングを8奪三振で無失点に封じる(2分24秒) |
9回表、ウィリー・ヘルナンデスがダリル・モトリーを三邪飛に打ち取り試合終了、タイガースのリーグ優勝が決定(56秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
カンザスシティ・ロイヤルズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 |
デトロイト・タイガース | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 1 | 3 | 0 |
- 勝利:ミルト・ウィルコックス(1勝)
- セーブ:ウィリー・ヘルナンデス(1S)
- 敗戦:チャーリー・リーブラント(1敗)
- 審判
[球審]ビル・ディーガン
[塁審]一塁: ジョン・バイブル、二塁: ランディ・クリスタル、三塁: ダグ・コッシー
[外審]左翼: ディック・ランチー、右翼: ディック・ジビック - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後1時00分 試合時間: 2時間39分 観客: 5万2168人
詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ カンザスシティ・ロイヤルズ | デトロイト・タイガース |
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | |
1 | 中 | W・ウィルソン | 両 | 1 | 二 | L・ウィテカー | 左 |
2 | 右 | P・シェリダン | 左 | 2 | 遊 | A・トランメル | 右 |
3 | 三 | G・ブレット | 左 | 3 | 右 | K・ギブソン | 左 |
4 | DH | J・オータ | 左 | 4 | 捕 | L・パリッシュ | 右 |
5 | 左 | D・モトリー | 右 | 5 | 左 | L・ハーンドン | 右 |
6 | 一 | S・バルボニ | 右 | 6 | DH | B・ガーベイ | 右 |
7 | 二 | F・ホワイト | 右 | 7 | 中 | C・レモン | 右 |
8 | 捕 | D・スロート | 右 | 8 | 一 | D・エバンス | 左 |
9 | 遊 | O・コンセプシオン | 右 | 9 | 三 | M・カスティーヨ | 右 |
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 |
C・リーブラント | 左 | M・ウィルコックス | 右 |
脚注
注釈
出典
- ^ "1984 Detroit Tigers Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年2月21日閲覧。
- ^ Matt Snyder, "MLB Playoffs 2016: Dodgers' Julio Urias to make historic start in NLCS Game 4," CBSSports.com, October 17, 2016. 2021年2月21日閲覧。
- ^ Murray Chass, "TIGERS, IN 11, AND CUBS TAKE 2-0 PLAYOFF LEADS," The New York Times, October 4, 1984. 2021年2月21日閲覧。
- ^ "UMPIRES AGREE TO UEBERROTH ARBITRATION," The New York Times, October 8, 1984. 2021年2月21日閲覧。
外部リンク
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1984 American League Championship Series - IMDb(英語)
|
---|
| | | - 2020
- 2021
- 2022
- 2023
- 2024
- 2025
- 2026
- 2027
- 2028
- 2029
- 2030
- 2031
- 2032
- 2033
- 2034
- 2035
- 2036
- 2037
- 2038
- 2039
| |
|
|
|
デトロイト・タイガース |
---|
球団 | |
---|
歴代本拠地 | |
---|
文化 | |
---|
永久欠番 | |
---|
ワールドシリーズ優勝(04回) | |
---|
ワールドシリーズ敗退(07回) | |
---|
リーグ優勝(11回) | |
---|
できごと | |
---|
傘下マイナーチーム | - トレド・マッドヘンズ(AAA級)
- エリー・シーウルブズ(AA級)
- ウェストミシガン・ホワイトキャップス(High-A級)
- レイクランド・フライングタイガース(Low-A級)
- フロリダ・コンプレックスリーグ・タイガース(Rookie級)
- ドミニカン・サマーリーグ・タイガース(Rookie級)
|
---|
カンザスシティ・ロイヤルズ |
---|
球団 | |
---|
歴代本拠地 | |
---|
文化 | |
---|
永久欠番 | |
---|
ロイヤルズ球団殿堂 | |
---|
ワールドシリーズ優勝(2回) | |
---|
ワールドシリーズ敗退(2回) | |
---|
リーグ優勝(4回) | |
---|
できごと | |
---|
傘下マイナーチーム | |
---|