鶯張り

鶯張り(うぐいすばり)とは、経年劣化によって、歩くとがきしみが出るようになっている廊下。

大覚寺の鶯張り
京都大覚寺の鴬張りを歩いた音

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鶯張り

概要

昔からの日本の古来の建築物に見られる、人が床の板の上を歩く事によりきしみ音が鳴る様につくられた仕組みを鶯張りと言い、外部侵入者の危険探知の為に設けられたとされていた[1]床の音のみに限らずや建築物の構造による音響も考え、作られていたとされる。他に鳴子や庭に敷き詰められる砂利・玉砂利等も、簡易ながら同等の効果を得られる建造物として挙げられる。重量がかかればどの様に歩いても鳴るように作ってある為に日常の用途としては制限が多く、その為に部外者でない者と聞いて判るように、廊下を通過する際はある一定のリズムを守る事が定められていた場合もあった。[要出典]

しかし、鶯張りという言葉は1893年(明治26年)刊行の『京都名所案内』が文献上の初出であり[1]、鶯張りが外部侵入者を防ぐ「忍び返し」と説明される起源は明らかではない[1]

鶯張りの床としては、京都府知恩院二条城のものが有名である[1]。かつては、鶯張りの成立の経緯は人為的、自然作為と諸説あり、その技術は失われ、今では同等の床の製作は難しいと言われていた[要出典]。2011年、知恩院の鶯張りを修理したところ、廊下を歩いても音が聞こえなくなった[1]。その一方で、知恩院の阿弥陀堂が再建から100年あまり経った後、鶯張り特有の音が出るようになった[1]。結果、鶯張りの音は、床板を固定する「目かすがい」と釘が経年劣化によって上下することで生じる音であると明らかになった[1]。知恩院では、鶯張りに関して「侵入者を防ぐために工夫を凝らしたもの」と記述した案内板を一新する予定である[1]

1987年、神奈川県大和市の料亭番外新館建設(菊池建設株式会社施工)で、「昭和のうぐいす張り」として再現された[要出典]。現在では、「和店 菊池安治の作品集3」(菊池安治 1988)で、その姿を確認することができる。

英語ではナイチンゲールフロア (nightingale floor) 、シンギングフロア (singing floor) などの名前で表す[要出典]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h “城や寺の「うぐいす張り」、実は「忍び返し」ではない?:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2017年12月27日). 2022年10月1日閲覧。

関連項目

参考文献

  • 菊池安治『和店:菊池安治の作品集』 3巻、扶桑社、1988年。ISBN 4594002102。 
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